豊島区長及び副区長の給料等に関する条例の一部を改正する条例など(令和4年第4回定例会第87~92号議案)への対応、同条例案を受けての議員報酬等の判断について

令和4年第4回定例会で特別職及び職員の期末手当を0.1月加算するなどの条例の一部改正条例が上程され、第87~89号議案は賛成多数、第90~92号議案は全会一致で可決をしました。

第87号議案 豊島区長及び副区長の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第88号議案 豊島区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第89号議案 豊島区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第90号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第91号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第92号議案 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

都民ファーストの会豊島区議団・民主の会もこの議案の可決に賛成いたしました。
特別職の給与に関する条例と併せて、議員報酬を改正する条例を議員提出議案で上程することが多いのですが、今回は条例提出を見送っています(すなわち、議員報酬は横ばい)。
この内容のご報告をいたします。

議案の内容

◆87~89号議案
対象:区長、副区長、常勤監査委員、教育長
改正内容:令和4年度は12月に支給する期末手当を0.1月引き上げ(5年度以降は6月と12月の支給分をそれぞれ現行の0.05月引き上げ)

◆90~92号議案
対象:職員、幼稚園教育職員、会計年度任用職員
改正内容:
・月例給は、公民較差896円を解消するため、初任給及び若年層の給料月額を引き上げ
・特別給(期末手当・勤勉手当)は民間における支給状況を勘案し、年間の支給月数を0.1月引き上げ。引き上げは勤勉手当に割振り(勤勉手当は会計年度任用職員には支給されていないため、会計年度任用職員の年間支給月数は横ばい)。
・令和5年度から、民間企業の状況を踏まえ特別給の支給回数を年3回から年2回とする。3月期末手当を廃止し、6月・12月期が均等になるよう配分。

※議員報酬については、月例給、期末手当のいずれも引き上げの条例案は提出しておりません。すなわち、前年度と横ばいということになります。

特別区人事委員会の勧告内容

1 月例給
・公民較差896円(0.24%)を解消するため、初任給及び若年層の給料月額を引上げ
2 特別給(期末手当・勤勉手当)
・年間の支給月数を0.1月引上げ(現行4.45月→4.55月)、勤勉手当に割振り

特別区人事委員会HP「令和4年職員の給与等に関する報告及び勧告 概要」

議案への賛成理由について

・私たちの会派は、87~89号、90~92号、いずれも賛成いたしました。

◆職員の期末手当等 90~92号議案について
対象は、職員、幼稚園教員職員、会計年度任用職員です。
組合と妥結し、条例の上程がされています。

国家公務員の給与は、労働基本権の制約があることから、代償措置として民間給与との比較を行い均衡させる人事院勧告に従って決められています。
⇒人事院HP「人事院勧告」
特別区公務員の給与に関しては、国家公務員と同様に特別区人事委員会の勧告が行われる制度となっています。
⇒特別区人事・厚生事務組合HP「特別区人事委員会 職員の給与等に関する報告及び勧告」

人事委員会勧告に基づき組合とも妥結した結果のため、条例案には賛成しました。

◆特別職の期末手当等 87~89号議案について
対象は、区の特別職(区長、副区長、常勤監査委員、教育長)です。

特別職と議員については、人事委員会勧告の対象外となっていて、原則は報酬審議会で議論されることとなっています。しかし、原則外で、過去に政治判断により特別職や議員報酬を変えているケースがあります。
⇒区HP「豊島区特別職報酬等審議会」
⇒根拠条例「豊島区特別職報酬等審議会条例」
報酬審議会が審議する対象は、特別職の給料の額(月額)、議員報酬の額(月額)と政務活動費の額となっています(条例第1条)。
条例の立て付けでは期末手当については対象とはなっておりません。しかしながら、これまでの答申では、年収総額で検討する考え方もあるため、月額以外の期末手当についても併せて意見が付されてきました。
また、報酬審議会での議論でも、実際には拠り所となる数字が必要となるため、人事院勧告や人事委員会勧告を参考としてきています。

今年度の報酬審議会は令和4年11月8日に行われました。
答申の概要は以下の通りです。
1 報酬及び給料の額
・0.24%引き上げることが適当である
2 期末手当の額
・0.1月引き上げることが適当である

答申理由
・報酬及び給料の額及び期末手当の額は、その果たす役割の重要性と職責に見合うものであることが望ましい
・一般職について、特別区人事委員会より引き上げの勧告がなされた(既述の通り)
・社会経済情勢及び職員の給与勧告の状況等を総合的に勘案し、一般職と同等に、報酬及び給料の額並びに期末手当の額を引き上げることが適当であるとの結論に達した

報酬審議会の答申では、報酬及び給料の額の引き上げの言及がありましたが、今回の条例では期末手当のみを反映しています。

私たちの会派は、未だコロナ禍の対応中であることやロシアによるウクライナ侵攻などの影響による光熱費や食材などの物価高騰などにより景気動向が不透明でありつつも、報酬審議会での答申を尊重した条例案であると判断し、議案に賛成しました。

◆議員の期末手当等について
議員報酬についての議案は議員提案条例となります。制度に関しては特別職と同様です。
今回、議員報酬については、月例給、期末手当のいずれも引き上げの条例案は提出しておりません。すなわち、前年度と横ばいということになります。

報酬審議会での答申内容は、報酬及び給料の額及び期末手当の額を引き上げ、というもの。
また、特別職の議案に合わせれば、期末手当の引き上げという判断もあり得ました。
しかしながら、コロナ禍であること、物価高騰などが続いていることから、議員報酬の引き上げの判断は見送るべきという結論に達しました。

なお、令和2年度及び3年度の対応により、議員報酬は職員と比較すると0.05月分の引き下げ幅が小さくなっていました。
2年度の期末手当の引き下げについて、職員は0.05月引き下げとなりましたが、議員報酬は2年度支給の1回限りを0.05月引き下げとしたため、差が生じていました。
私たちの会派は、上記の対応が不十分であるため、独自に令和3年度の期末手当のうち0.05月分を受け取らない対応をいたしました。
⇒会派HP「豊島区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例(令和3年第4回定例会 議員提出議案第11号)への対応について」
2年度についても、私たちの会派はコロナ禍での社会経済状況に鑑み、独自に四半期分の政務活動費を受け取らない対応を行っています(効果額は、15万円/月×3か月×7名=315万円)
⇒会派HP「豊島区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例(令和2年第4回定例会 議員提出議案第13号)への対応について」

今回の対応により職員との引き下げ幅の差は解消されることから、4年度は独自に期末手当を受け取らない対応を行いません。